2000年の初春、香港から入って、陸路で中国の華南を横断して、ベトナム、カンボジア、タイへと東南アジアの旅をしました。
今日はカンボジアのアンコールワットでのお話です。
アンコールワットはカンボジアのシェムリアップ市にあるヒンドゥー教の寺院遺跡で、1992年に世界遺産に登録されています。
表紙画像のような、橋から眺めて見える姿はとても有名ですよね。
訪れるまでは葡萄みたいな形の塔が3つ並んでいる古い寺院遺跡だな位にしか思っていませんでした。
実際に訪れてみて、想像以上に素晴らしく感動しました。
修復はまだまだ不完全で傷んでいる箇所が目立っていましたが、繊細な装飾、ストーリーやコンセプトが明確で壮大な建築。
3Dプリンターで簡単に造形できる今の時代と違い、全てが手仕事。
端から端まで匠の技。
こんなに素晴らしい建築群が忘れさられていた時代があったなんて!
栄光と衰退、、、計り知れないです。
アンコールワットを思うたびにセットで思い出すのが、アンコールワットがある街、シェムリアップまでの行程です。
私が旅した当時、プノンペン(カンボジアの首都)からシェムリアップへの道路はガタガタの悪路で所々に地雷が残っている状態でした。
カンボジアはベトナムとは違い、旅のシステムが構築されていなかったので、臨機応変に現地で情報を集めて対応せざるを得ませんでした。
地雷を迂回しながら悪路を進むのは危険で時間もかかるので、トンレサップ湖を高速船で渡る方法が良いと教えて貰いました。
プノンペンからトンレサップ湖までのミニバス、高速船、トンレサップ湖からシェムリアップまでのミニバスを乗り継いでの行程です。
お金に糸目をつけなければ簡単ですが、値段やルートを交渉しながら進むのも旅の醍醐味のひとつなので、私も教えて貰った情報でシェムリアップを目指すことにしました。
このシェムリアップへの行程で思い出に残っているのが高速船での体験です。
高速船の乗り場まで辿り着いて乗船しようとすると、船内は既に乗客で溢れかえっていたので、「次の船にする」か「屋根上に乗るか」と言われました。
次の船が出るのがいつになるかわからないし、他にも屋根上に乗る人がいたので大丈夫だろうと、「屋根上に乗る」を選択して梯子で屋根に登りました。
眺めも良いし風も心地よいので、始めは屋根上を満喫していました。
ですが、船は出発後どんどん速度を上げて、風の勢いも半端じゃない。
荷物と体が吹き飛ばされないように船にしがみつくので精一杯な状況へと変わってからは、車の屋根に乗って高速道路を走ってる気分です。
4時間は乗っていたと思います、到着する頃には体力は奪われぐったりでした。
後日、聞いた話によると、いつにもまして乗客が多かったので、船会社は速度を上げて便を増やしていたらしく、普段は5時間必要な所を4時間ほどで到着させていたそう。
通りで、異常なスピードでした、落っこちなくて良かったです。
大体、屋根上に客を乗せるってあり得ないですよね。
乗ることを選択したのは私なので仕方ないですが。。。
簡単に決めた選択でしたが、命に関わる危険な選択でした。
取り返しのつかない失敗や後悔って、こんな風にあまり考えずにした選択の結果が多いのではないのかなと思います。
危険だからと何もしないのもつまらいけど、イケイケの行動も何かあってからでは遅いですよね。
咄嗟にあらゆる状況を想定できる人になりたいです。
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