2000年の初春、香港から入って、陸路で中国の華南を横断して、ベトナム、カンボジア、タイへと東南アジアの旅をしました。
今日は中国の広州でのお話です。
香港の次に訪れたのが広州で、中国本土に入ってはじめての街でした。
広州は広東省の中でも一番大きな街で、鉄道やバスも各地に行く便が運行されていて、私も次の目的地への中継地として訪れていました。
今と違って当時の中国では経済が発達していないので、お店の人や公共交通機関の人は親切じゃないと聞いていました。
日本人で女性で中国語が話せない、どうなることかと心配していましたが、郷に入れば郷に従え、意外と何とかなるものでした。
混沌としているけど、システム化されているというか、、、ざっくりしているけど要所は外さないというか、、、大らかなシステムで運営されていました。
中国語が話せなくても漢字でなんとか筆談できるのは、漢字圏のスゴイ共通文化ですよね!(日本で使う漢字と違うので少し戸惑いましたが)
バスの出発まで時間があったので街中をブラブラしていたら、不特定多数の人が出入りしている施設がありました。
中に入るのは無料だったので、私も見学しに入ったら、鳥や魚、猿に蛇などそれはもう多種多様な生き物がいました。
ミニ動物園を無料で見られてラッキーと思っていたら、見学し終わった人は入口のお姉さんに何かを話して、2階へと上がっていく流れだと気づきました。
2階には何があるの?とお姉さんに近づいて、やっと理解しました。
ここは無料のミニ動物園ではなく、レストランだったのです。
「食は広州にあり」って中華の宣伝で聞いたことがあるようなフレーズですが、この生き物達は全て食材だったのです!
食材を選んで、好みの調理方法をお姉さんに伝えて、2階にある食事席に行くというシステム。
生き物達を見て、可愛いなぁと思っていたので、かなりショックでした。
せっかく見学させてもらったのだけど、食事は別のレストランでとることにしました。
日本を出発して間もなくの頃だったので、中国の衛生状態に疑心暗鬼でした。
衛生的にきちんとしたレストランを探すと、どうしても高級レストランになってしまいます。
高級レストランには1人用の小さなテーブルはあまりなく、分量も少量なものは用意されていないので、大きな円卓に料理が並べられて、それを1人ぼっちで食べる図(表紙画像)というのは、レストラン内でかなり浮きまくっていました。
中国本土の物価はかなり低かったので、そんな食事をしても金銭的に問題ない(今の中国の物価では考えられないでしょう)のですが、精神的に寂しかったです。
あの動物園式レストランは今でもあるのかな?
中国語が話せたなら、あれこれ注文して、良い思い出になっていたかもしれませんね。
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