2000年の初春、香港から入って、陸路で中国の華南を横断して、ベトナム、カンボジア、タイへと東南アジアの旅をしました。
今日はカンボジアのプノンペンでのお話です。
プノンペンはカンボジアの首都で、近年では経済成長も進み発展を続けています。
中国、ベトナムと旅していましたが、カンボジアに入ると建築のデザインも益々華やかになってきました。(表紙画像:ワットプノン)
国立博物館の庭も南国の楽園のようでした。
とはいえ、観光エリア以外の当時のカンボジアは、内戦が終わって10年近く経つというのに、アスファルトの道はほとんどなく土のデコボコ道ばかりでインフラは全然整っていない状態でした。
貧しい国はそれまでに色々みてきましたが、あの頃のプノンペンの雰囲気は特別でした。
殺伐としているスラム街は貧しい国にはよくある光景ですが、街角にいる子供達の瞳が笑っていないという状況は後にも先にも体験した事がありません。
死がいつも隣合わせにあって、楽しいとか嬉しいという感情を知らないような、希望が見えない冷めた瞳でした。
同じ戦争でも内戦は本当に一番ダメな戦争なんだと痛感しました。
落ち込む私が更に現実を見てしまったのは、外国人の旅行者が集まるカフェで、買ってくれる人を探す少女の姿でした。
とても幼く見える少女が自分に付けている値段は3ドルでした。
3ドル、、、。
生きるって綺麗事じゃない。
傍観しているだけのくせに、厳しい現実に耐えられなくて、プノンペンの滞在は早々に切り上げて次の目的地に向かいました。
あの時代のプノンペンの雰囲気を思い出すたびに、日本の戦後復興を実現させ平和を謳歌できるようにしてくれた当時の政治家さんや企業家さんに感謝します。
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