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ニャ・チャン

2000年の初春、香港から入って、陸路で中国の華南を横断して、ベトナム、カンボジア、タイへと東南アジアの旅をしました。

今日はベトナムのニャ・チャンでのお話です。

ニャ・チャンはベトナムの南部にある海辺の都市で、ビーチリゾートとして知られています。

私が訪れた頃はリゾートが開発され始めた頃で、白い砂浜が広がる田舎の海岸といった感じでした。(表紙画像)

今では数多くのホテルが誘致されて、世界的にも注目度が増しているエリアだそうです。

ニャ・チャンでは痛い思い出でがあります。

当時のアジアでは、日本人=金持ちというイメージが固定していました。

日本人だとわかると2倍、ヒドイ時は10倍以上の値段を言ってくる人もいたり、利害関係のない人でも日本人だとわかると見えない壁を作られたりしました。(あなたは金持ちの国の人なのよね・・・みたいな)

なので、現地の人に話しかけられたりしたら、中国人の学生という事にしていました。

ニャ・チャンへ向うバスの中で隣の席に座ったベトナム人のおじさんに話しかけられた時もやっぱり中国人の学生と自己紹介しておきました。

私の服があまりにもみすぼらしかったからか、片言の通じない英会話を気に入ってくれたのか、バスを降りたら昼食をごちそうしてくれる事になりました。

そして連れて行ってくれたのが、、、バスターミナル近くの中華料理のお店。(気を利かせてくれたのでしょう)

わざわざ華僑の店主さんを呼びつけて、私を「中国人の学生さん」と紹介してくれました。

店主さんは中国語で私に話しかけてくれましたが、意味なんてわかるはずがありません。

それでも店主さんは私の出身を聞きだして、そのエリアの言葉で話をしようとしてくれます。

「広東?山東?四川?雲南?」(・・・嘘ついてごめんなさい、日本です)

私は首を振ったり傾けたりして必死に誤魔化しました。

偏狭の地の出身と思ってくれたのか、店主さんは私の出身地を探すのはあきらめて、でも満面の笑顔で握手してくれました。

その後は冷や汗をかきながら、美味しい中華料理をごちそうになりました。

身を守るためだったとはいえ、はじめに人柄を怪しんで嘘をついたのが始まりでしたが、本当に心苦しかったです。

白いビーチより、中華料理店での微妙な空気の方が痛い思い出として心に残っています。

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