大学4年生の夏休み、ヨーロッパ・モロッコ・エジプトと約2ヶ月間の一人旅に出ました。
砂漠に行きたくて、モロッコ・メルズーカを訪ねた時の話です。
モロッコからエジプトにかけて広がるサハラ砂漠、鳥取砂丘とは違ってスケールが大きく、見渡す限り砂漠です。
どうせ泊るなら、砂漠の中にある宿がいい!
そう思って、ガイドブックに載っている宿を決めたのはいいけれど、宿までの交通手段がない(><)
街から砂漠へ向う公共バスはないみたいだし、車をチャーターしたら高いし、、、悩んでいたら、現地人2人組みが話かけてきました。
2人組:『僕達、ガイドなんだ!街を案内するよ!!』
はい。はい。ガイドの登場です。モロッコは本当にガイドがしつこい(^^;)
私:「ごめんね、私、お金が全然ないのよ」
すでに現金を使い果たしていて、旅先にもかかわらずキャッシング生活をする私に、ガイド料を払える余裕はございません。
彼等は私を説得するために2時間位、喋っていた。
暇だから相手する私も私だけど、あきらめない彼等も凄い!
話しているうちになんだか仲が良くなって、お金がない私に同情しはじめました。
ガイド:『本当は外国人は乗れないのだけど、、、』
どうやら現地の人が利用している乗合バンがあるらしい。(そんなのあるなら早く話しなさいよ!)
彼等の案内で乗場に向かうと、そこはただの道端で、すでに現地の人が何人か待っていました。
乗合バンがやって来て乗り込もうとしたら、彼らも一緒に乗ってくる。
ガイド:「家に帰るんだよ」
そんなわけないでしょう、怪しい、とは思いながらも安い行き方を教えてくれたのだから・・・、まぁ、なんとかなるでしょう!
走り出した乗合バンは砂漠の中を突き進みます。
うぁ、ちょっと! え??!! マジで?!!!
洒落にならない高低さの砂漠の丘をアップダウン、道なき道とはこういうことか!!!
乗客が運転手に指示をして、バス停も目印も何もない場所で停車します。
で、でも、、なんの目印もない荒野に降りて、ちゃんとわかるの???
ここも、そこも、あそこも、みんな、、、私には同じ砂漠にしか見えない(^^;)
乗客達はバンを降りて、それぞれ砂漠に消えていく。(さすが住んでる人は違いがわかるようです)
乗合バンに乗って1時間位した時、街から同乗してきたガイドが降りるように促します。
窓の外を見ると、ポツンと建っている建物発見!どうやら目当ての宿に到着した模様♪
宿以外、周りには何にもない!これぞ、理想の「砂漠の中にある宿」です!
私が降りると、ガイドの一人も一緒に降りてくる。・・・おい、おい、君、着いてくるのか!
家に帰るんじゃないのか???着いてきても私にはお金がないぞ。(><)
宿に着いて、部屋の交渉をしようと思ったら、ガイドが先に宿の人と話を済ませたみたいで、
ガイド:『部屋に泊ると高いから、マットレを貸りて外で寝たら安くて済むよ!』
はい?え?そ、外?
どうやら、私が貧乏なのを気にして最もリーズナブルな宿泊方法を探してくれたらしい。
そこまで貧乏ではないのだけど、でも、砂漠の星空の下で眠るのは楽しいかも♪
そう思って、マットレスだけ借りて野宿状態決定。
大きな荷物は宿に預けて、寝るとき以外は宿の共有スペースにいようと決心しました。
チェックインを済ませてロビーでぼんやり寛いでいたら、ガイドは私をスペイン人の集団に引き合わせました。
彼等は毎夏、この宿に来てバカンスを過ごしているそうです。
男女合わせて8人ぐらいのグループ。
一人でいる私を不憫に思ってか、一緒にドライブに行こうと誘ってくれました。
どうやらガイドが勝手に頼んだみたい(笑)・・・あんたは一体、私の何?
ずっと着いてきてるけど、家に帰らないで大丈夫?私と一緒にいてもお金にならないのは理解してる?
悪い人じゃなさそうだし仕事を見つけたらどこかに行くでしょう。
疲れてるからゆっくりしようと思っていたけど、砂漠のドライブ、それも楽しいかも♪とスペイン人集団のお誘いに乗ることにしました。
陽気なスペイン人集団 + 私 + そして何故かガイド、また砂漠へと繰り出します。
目的地はどこに行くかさっぱりわからない。(スペイン語で熱く説明されたけど、チンプンカンプン)
またまた砂漠をアップダウン。
おや?この景色は見たことあるぞ!この街ってさっきまでいた街だ!
陽気な集団は夜の酒盛りのための買出しに来たらしい。
街から宿に向うのに交通手段がないと悩んでいたのに、宿から街への交通手段はあっさりでした。
買出しを終えて、次に向ったのはプール。
え? 砂漠にプール? すごい!!!
着くと早速、水着になって泳ぎだす集団!
で、でも、水の色が緑色なんですけど?!も、モ、藻がいっぱい???!
私には無理です!絶対に嫌です!
豪快だよ!なんかスペイン人すごいよ!!!お構いなしで緑色の水に潜ってはしゃいでる!!!
その後、食事までご馳走になって宿に戻りました。
(お金を払おうとしたら、受取って貰えなった・・・)
もしかして、貧乏で可哀想な人って言いふらされてる?楽しい時間と食事でした☆
ちなみにガイドも、もちろんタダ飯でした。
さて、ガイドがどうして一緒に行動するのか、宿に戻って、謎が解明!
スペイン人集団はバカンスに来る度に、世話を頼んでいるガイドがいるのだけどそのガイドに急用があったから、ピンチヒッターで当番してた模様。
ガイへの疑心の気持ちは薄まるのでした。。。
夜になって、、、さて、どこで寝ようか考えていたら、ガイドがマットレスを抱えてやって来た。
どうやら私の寝床を準備してくれるらしい。
宿からどんどん離れて行く。。。100m位離れた砂漠の上にマットレスを敷いた。(ちょっと遠すぎちゃう? 大丈夫なん?)
私がビビッている間も、手際よく準備するガイド。
二個並べられたマットレス。(えっ? 2個ってどういうこと?!私の横で寝るつもりなの???)
ここで身の危険を感じないといけないのですが、、、一度信用すると、全く疑わない傾向。
私の思考回路は・・・砂漠で一人で寝るのは恐いと思ってたから、ガイドと一緒なら安心♪
異国の地で、知合って間もない異性と枕を並べる。
満天の星と月明かりが降り注ぐ砂漠の大地。
少し離れた宿からは、民族音楽の調べと共に人々の笑い声。
「異国情緒溢れる」とは正しくこの瞬間でしょう。
よく映画とかドラマとかでみるシチュエーションでは、甘い雰囲気になって、そのまま・・・。
なんてことは全く起きずに、熟睡させて頂きました。
そして砂漠の朝は早いです、太陽が昇ればすぐに暑くなる。
早々に寝床を片付けて、宿のロビーに避難です。
スペイン人集団の担当ガイドも戻って来たのですが、集団は昼にはスペインに帰ってしまうとのこと。
短い出会いでしたが、抱き合って別れを惜しみます。(外国の人って抱き合うの好きですよね(笑))
彼等を見送った後、宿にひとり残された私。
目的地である砂漠に来たものの、お財布の中が寂しいので派手なことはできません。
リビングルーム化している宿のロビーで、まったりし過ごすことにします。
ロビーに長居していると、知り合いが増えてきて、午後には滞在客の殆んどと知合いになり、従業員とも仲良くなりました。
そうこうしていたら、はなちゃんという同い年の日本人の女の子がやって来ました。
久しぶりの日本語、2人で大盛り上がりして、すぐに意気投合♪♪♪
これから本当の砂漠ツアーが始まります!!!
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